
広島市南区大州に鳥取県の食材を使った飲食店がある。「魚倉 広島店(うおくらひろしまてん)」だ。(以下 魚倉)
魚倉は「スパイラップガーデン大州」(旧 スパイラルガーデン大州)の中にある。「スパイラップガーデン大州」は、さまざまな店舗が入居する、3階建ての複合商業施設だ。飲食店のほかに鮮魚店や豆腐店、人材紹介所が入居している。スタジオや放課後児童クラブなどもある。
「スパイラップガーデン大州」の正面から入って1階の右奥に、魚倉がある。店内は広い。カウンターとテーブルを合わせて70席ほどあろうか。掘りごたつのようなテーブル席も2カ所ある。

魚倉の店内を見渡すと、絵が目立つ。海と太陽の中を、魚やイカ・エビが跳ねている。額に入ったた魚拓が、あちこちに掲げられている。真鯛や石カレイなどの魚拓だ。
入口の近くと厨房の前には、モニターが設置されている。モニターには魚倉のプロモーションビデオが流れる。海に浮かぶ船を背景に、魚倉の関係者と思われる人をインタビューしている。魚市場や「松葉ガニの水揚げ」の映像、そして職人が寿司を握る映像を使っている。音声は聞こえない。
鳥取の「サワラ」や「甘海老」のポスターには「食のみやこ鳥取県」のロゴがある。
魚をあしらった「のれん」には「鮮度」「価格」「魚倉」などの文字だ。
仕入れは、主に鳥取県の境港などから行っているという。
魚倉では、注文をQRコードから行う。「山陰ごちそう定食」を注文した。
出てくるのを待っているときに、気づいたことがある。ラミネートされたPOPのようなものに「漬鮮魚かけ放題」なる説明があった。長い説明文を読んでも、よくわからない。店員に聞くと、どうやら鮮魚の「漬け丼」のようなものらしい。具が「かけ放題」で「おかわり」が自由のようだ。
珍しいので「漬鮮魚かけ放題」を頼もうとしたら、店員が驚いた様子だ。
「山陰ごちそう定食」だけでも、かなりの量があるという。見てからにしたほうが良いとアドバイスしてきた。魚倉は食品ロスを減らすことに取り組んでいる。客に無駄なお金を使わせない配慮もあるのだろう。
話を聞いている時に、他の客が入ってきた。店員は、入ってきた客を席まで案内してから、戻ってきて説明の続きをした。

「漬け鮮魚かけ放題」は、ランチタイムのみだ。
おかわり自由なのは、「ご飯」「漬け海鮮」などだ。「漬け鮮魚」つまり、ご飯の上に載せる「具」がかけ放題ということだ。具は、ヒラマサ、アジ、マグロなど、日によって変わる。
トッピングの「胡麻」や「海苔」も、おかわり自由だ。
出汁もおかわり自由で「かけ放題」となっている。出汁は、お茶漬けにする時に使う。
卵がついていた。好みで味を変えるのに使う。
おかわりをしに行こうとしたら、「漬け」が品切れだった。厨房にいた店員が「すぐにご用意します」と言う。用意するのに、しばらく時間がかかるのかと思い、席で待つことにした。店員が、準備ができたと教えにきてくれた。

2杯目は出汁をかけてお茶漬けにした。
「漬け鮮魚かけ放題」は、具がなくなり次第終了する。この日は午後1時すぎには売り切れとなっていた。
「山陰ごちそう定食」と「漬け鮮魚かけ放題」の1杯目までは、問題なく食べることができた。「漬け鮮魚かけ放題」の2杯目、「お茶漬け」になると腹がパンパンで、さすがに無理があったか。注文しようとした時に、店員が驚いたのは無理もない。
「余裕で食べられます」と言って注文した手前、気合で全部食べ終えた。
「漬け鮮魚かけ放題」は、どうしても「おかわり」をしたくなる。店員が驚いたのはこういうことだったのか、と納得して店を後にした。
※ この記事は、素性を明かさずに客として来店し、代金をお支払いした上で書いています。


