
オーストラリアは南半球にあるため、日本とは季節が逆です。6月のブリスベンは、ほとんど冬です。
半袖の服よりも長袖のセーターを着ている人を見かけることが多くなります。寒さに弱い私は、湯たんぽに頼って冷えた夜を凌いでいます。
今回は、前回に引き続き、地上で見ることが多い鳥を紹介していきます。
冒頭の写真で示した鳥は、Bush stone-curlew(ブッシュ・ストーン・カール)と言います。
どことなく“隠居したお爺さん”のような独特の空気をまとっています。日本語では「オーストラリアイシチドリ」と呼ばれています。
細長い足と首を持ち、スリムな体型です。茶色と黒の体色。目の上の白い筋。これらが鳥にキリッとした印象を与えつつ、老人のような雰囲気を醸しています。
オーストラリアイシチドリは公園など、木が多いところで見られます。夜行性で、夜になるとどこからともなく現れます。
夜の公園で予期せず見かけると、その細長いシルエットに、心臓が跳ね上げられそうなほどびっくりします。
しかし夜だけしか見られないわけではなく、昼でもしばしば見かけることがあります。
特にノース・ストラドブローク島(North Stradbroke Island) という島では簡単に見つけることができます。
オーストラリアイシチドリが老人のように見えるのは、その行動にも原因があります。とにかくこの鳥は動きません。
この鳥を初めて私が見つけたのは、大学のキャンパス内でした。あまりにも動かなかったので、てっきり大学が置いた「飾りの置物」なのかと思っていました。
たとえこちらがずっと見つめ続けても、身動きひとつせずにじっとしています。鋭い目つきと相まって、より歴戦の隠居老人の雰囲気を感じるのです。
夜になると静々と歩いている姿を見ることができます。この鳥もオーストラリアの鳥らしく鳴き声が独特です。
散々、私が老人感を強調してきたので、渋く低い声を想像しているかもしれませんが、逆です。
夜道の不安をさらに煽る、細くて高い声を持っているのがオーストラリアイシチドリです。
【オーストラリア在住 Haruki Umemura】
○ Haruki Umemura ○
愛知県出身。幼少期から生物に興味があり、研究者を目指す。海洋生物学を学ぶため、研究が盛んなオーストラリアの大学に進学することを決意。高校卒業後、2023年4月にオーストラリアへ渡航した。シドニーの語学学校で学んだ後、2024年、ブリスベンのクイーンズランド大学に入学。同大学で海洋生物学について学んでいる。ブリスベン在住。
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