地酒メーカー自社製造のパウチ日本酒 ~日本酒発祥の地 島根から~

李白パウチ
李白パウチ

3月21日、島根県松江市の酒造メーカー「李白酒造」が、パウチ容器の日本酒「李白パウチ」を発売する。大規模ロットを自社で独自に開発、製造する。日本酒と言えばこれまでビンの容器が常識だった。それをくつがえすかブランドイメージが失墜するか、同社としては「覚悟の挑戦」だ。

パウチ容器の日本酒はOEM製造の物や小規模ロットの物を、既に他社が発売している。しかし、地方の地酒メーカーが自社で開発製造する大規模ロットの物は、あまり例がない。同社代表取締役の田中裕一郎さんによると「全国初ではないか」という。

パウチ容器の日本酒は軽量で積み重ねができるため、大量に輸送ができる。このため輸送時の二酸化炭素排出量を減らすことができて、環境に配慮することにもつながる。

持ち運びが簡単なため、お土産、アウトドア、行楽、旅行など様々なシーンで活用が見込める。田中さんは「冷蔵庫の場所もとらず3つくらいなら郵便受けに入る。ゴミも小さい」と利点を話す。

さらに「この商品が出ることで、身近に日本酒を置いてもらうことができる。」と述べた。そして「当社は酒文化を正しく後世に継承することを理念としてきた。日本酒発祥の地から日本酒文化をもっと身近に感じてもらいたい」と続けた。

島根は日本酒発祥の地といわれている。日本最古の歴史書「古事記」では、スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治した伝説に「ヤシオリノ酒」が登場する。奈良時代に編纂された出雲国風土記には「この地に神々が集まって酒造りを行い、180日にわたり酒宴を開いた」との記述がある。

同社は、この取り組みについてのプレスリリースを明日、3月18日に行う予定だ。

3月18日からは、李白酒造を応援するためのクラウドファンディングの募集が始まる。

「李白パウチ」についての問い合わせは、電話0852(26)5555  李白酒造まで。

「李白パウチ」について語った田中裕一郎さん

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