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夫婦二人三脚で但馬杜氏の技を継承 日本酒「文太郎(ぶんたろう)」

2025 6/14
全国/世界 鳥取(Tottori)
2025年6月14日
山陰プレス編集
日本酒造りをする杜氏の岡本大地さん
日本酒造りをする杜氏の岡本大地さん

兵庫県美方郡新温泉町(しんおんせんちょう)で、但(たじ)馬(ま)杜氏(とうじ)の技術継承に励む人物がいる。岡本大地(おかもと だいち)さんだ。株式会社文太郎(以下 文太郎)で杜氏を務める。岡本さんは鳥取県の鳥取城北高校出身。

但馬杜氏は兵庫県の但馬地域を拠点とする、伝統ある杜氏の技能集団だ。越後杜氏・南部杜氏・丹波杜氏と並び、四大杜氏の1つに数えられる。

文太郎は2019年4月に設立された。岡本大地さんの父、岡本英樹さんが立ち上げた酒造会社だ。英樹さんは、かつて新温泉町の町長だった。

新温泉町では、数十年前に町内の酒造会社が廃業していた。但馬杜氏の古里でありながら、酒造会社が無い状態が長年に渡って続いていたのだ。

町長在任中から杜氏但馬の伝統を残そうと奔走(ほんそう)していた英樹さんは、町長退任を機に会社を設立する。新温泉町内に酒造会社を復活させたのだった。

大地さんは高校卒業後、神戸市内で介護関係の仕事をしていた。英樹さんが酒造会社を設立するとき、息子の大地さんに声がかかる。新温泉町に帰って、酒造りを学べというのだ。大地さんが36歳の時だった。

杜氏になるには、まず見習いの「蔵人(くらびと)」として修行をしなくてはならない。大地さんの背中を押したのは恋人だった。現在の妻、友美子さんだ。

ふたりはピアノバーで知り合った。友美子さんは、バーでピアノの演奏をする仕事をしていた。酒を飲むのが好きだった大地さんは、バーに通い続けて交際に発展した。

新温泉町は、鳥取県との県境に位置する。同じ兵庫県内とはいえ、神戸と新温泉町で離れるとなると、これまでのように頻繁に会うことはできないかもしれない。

しかし大地さんには都会の神戸よりも、地方の暮らしが向いていると思う。そう考えた友美子さんは、新温泉町に帰って酒造りをすることを勧めたのだ。友美子さんの後押しで、大地さんは安心して帰ることができた。

離れても、友美子さんは大地さんを支え続けた。当時、友美子さんは運転免許を持っていなかった。神戸から文太郎までは、電車や高速バスを乗り継ぎ5時間近くかかる。友美子さんは休みを利用して新温泉町に通い、麹(こうじ)造りや米の運搬を手伝った。

岡本大地さん(左)と妻の友美子さん
岡本大地さん(左)と妻の友美子さん

2020年1月、2人は結婚した。時期を同じくして、日本国内で新型コロナウイルスの感染が確認された。結婚してすぐにコロナ禍が始まったのだ。取引先は飲食店が多い。注文は激減した。

文太郎で使う酒米は自社で作っている。前年に、製造量を見込んで酒米を作ったが使いきれない。設立して間(ま)もない会社に大打撃を与えた。

対策として、クラウドファンディングにより低アルコールの微発泡酒を開発した。多くの人から支援を受けた。「もふもふ」と命名して販売したところ、好評だった。

「もふもふ」は、大地さんが考案した独自の方法により造っている。同じ製法で造っている酒造会社は無い。アルコール度数を低めに抑えて、若い人や女性でも飲みやすくしてある。

2022年の秋に、大地さんは杜氏に昇格して独り立ちした。2023年には、コロナ禍が収束して、売り上げが徐々に回復していった。

岡本大地さんが造った酒「もふもふ」
岡本大地さんが造った酒「もふもふ」

酒造りは冬に行う。新温泉町は日本海側のため、冬の寒さは厳しい。寒い中、寝不足で毎日ほとんど仮眠しか取れない。朝も夜もない。やり直しがきかないため不安やプレッシャーが大地さんを襲う。それを乗り越えて造った酒は格別だ。最初に酒をしぼって出てきたときは、特別な感動がある。

米作りから行う酒造会社は、それほど多くはない。社長の英樹さんは町長に就任する前、専業農家だった。米作りのノウハウがある。杜氏の大地さんも、自ら田植えや稲刈りを行う。友美子さんは苗箱(なえばこ)を洗う。

自分の造りたいと思っている酒に近づけるのが大地さんの目標だ。酒米の銘柄は、いろいろある。米そのものの味をいかした酒を造りたいという。

2025年7月20日、文太郎は鳥取市内でイベントを行う。大地さんは杜氏として来場者に酒の造り方を解説する。客は5種類の日本酒を飲み比べすることができる。

友美子さんは地元の演奏家と共演して、キーボード演奏によりイベントを盛り上げる。ここでも夫婦二人三脚で文太郎をPRだ。

結婚前は、核家族で都会のマンション暮らしだった友美子さん。環境に慣れるのに苦労した5年間だった。

結婚してすぐにコロナ禍が会社を襲った。冬の酒造りは過酷な日々だ。

それでも大地さんは結婚してからの5年間、苦労を感じたことが無い。酒造りとともに精神的にも助けてくれた妻がいたからだ。

「いつも助けてくれてありがとう」

照れくさそうに、何度も感謝を繰り返す大地さんの姿が印象的であった。

機械に乗って田植えを行う、岡本大地さん
株式会社文太郎の主力商品「文太郎」
株式会社文太郎の主力商品「文太郎」

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