上場企業発行の地域密着情報誌「こはく」10周年

「こはく」10周年記念号
「こはく」10周年記念号(イラスト:伊吹春香さん)

3月24日、地域情報誌「こはく」が創刊10周年を迎えた。鳥取県西部を中心に配布される「地域みっちゃく生活情報誌」だ。株式会社中広が運営している。

株式会社中広は岐阜県岐阜市と愛知県名古屋市に本社を置く東証スタンダード上場企業で、直営やフランチャイズにより全国各地で134誌の地域密着情報誌を発行している。総合発行部数は約1100万部を誇る。山陰では「こはく」の他に、鳥取県東部で配布されている「つばさ」と鳥取県中部で配布されている「くらら」を発行している。

「こはく」は2014年3月24日に創刊された。10周年記念号となる2024年4月号の総発行部数は6万200部。各家庭に無料で配布され、鳥取県西部46か所の施設にも設置されていて無料で持ち帰ることができる。10年間の総発行部数は600万部を超えている。

3月25日発行の4月号では、米子市の伊木隆司市長が執筆するコラム「いきいきよなご」が連載70回を迎えた。

工夫を凝らした巻頭特集では地元のテレビや一般紙にも引けを取らない話題を提供することがある。

2018年8月号の巻頭特集では、東京オリンピックボクシング女子フェザー級金メダリスト、入江聖奈選手(米子市出身)を取り上げている。当時まだ高校生で無名だった入江選手を、他の地元メディアに先駆けて紹介した。見開き2ページを使った記事だった。

2015年3月号ではプロ野球広島カープの九里亜蓮投手(米子市出身)を取り上げた。入団2年目の九里選手に広島でインタビューを行って記事を書いた。

創刊10周年記念号の4月号では、「こはく10周年HAPPYすごろく」が巻頭特集だ。クイズに全問正解すると10名に豪華プレゼントが当たる。鳥取県三朝温泉のペア宿泊券や同県の特産品がプレゼントされる。特産品はブランドハムの「大山ハム」、国立公園大山の水を使った地ビール「大山Gビール」などだ。

「皆生温泉開発100周年」「大山開山1300年」「スターバックス米子初上陸」など、この10年間に鳥取県西部で起きた出来事を「すごろく」にしている。「すごろく」にクイズのヒントをちりばめているため、これを楽しむことで答えが分かるようになっている。

「こはく」編集室長の勝部誠一さんは創刊10周年にあたり「10年間読者の皆様や広告でお世話になったクライアントさんに支えられてきた」と感謝を述べた。そして「10年は長かった。こはくは生活必需品ではないかもしれないが、これで情報を得て食事をしたり習い事をしたりするなど皆様のお役に立ててきたことがうれしい」と語った。

勝部さんは「大山町や日野郡のように、まだ配布できていない地域にも配布エリアを広げていきたい」と今後の抱負を話した。また株式会社中広としては島根県でも地域情報誌の発行を目指したいという。

「こはく」は米子空港や米子駅観光案内所など鳥取県内の設置か所で入手できる。

「こはく」10周年について話した勝部誠一さん