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安来節初代家元 渡部お糸 没後70年

2024 4/17
島根(Shimane)
2024年4月17日
山陰プレス編集
初代渡部お糸の肖像画(作者不詳)(リニューアルオープンを控えた安来節演芸館内で4月13日に撮影)
初代渡部お糸の肖像画(安来節保存会所蔵 作者不詳)(リニューアルオープンを控えた安来節演芸館内 4月13日撮影)

安来節保存会が2024年4月7日、島根県安来市の安来節演芸館で「お糸まつり」を開催した。安来節の初代家元、渡部お糸をしのぶ祭りで、毎年この時期に行われている。

現在の家元、四代目渡部お糸さんにより「初代渡部お糸を讃える歌詞」を使用した安来節の特別版が披露された。安来節演芸館は5月のリニューアルオープンに向けて休館期間中だが、この日「お糸まつり」のため、特別に会場として使用された。

今年2024年は初代渡部お糸(以下、初代お糸)の没後70年にあたる。

初代お糸は1876年11月6日、現在の安来市内で料理店を営む渡部佐兵衛と、妻ノブの四女として生まれる。三味線の初代富田徳之助とともに、安来節の黄金時代を築き、1954年3月27日に死去している。

義太夫節の名手だった父から厳しく歌の指導を受けた初代お糸は、1916年に全国俚(り)謡(よう)名人大会で首席入賞を果たす。同年、東京のレコード会社「東京蓄音機KK、鷲印レコード」からレコードを発売した。初代お糸42才のことだった。

その後、東京での公演が新聞報道されたことにより安来節のブームが到来することとなる。当時、初代お糸は1日6回もの公演をこなしたという。全国巡業はもちろん、外国にも出かけて安来節の普及に努めた。

四代目渡部お糸さんによると、子どもの頃の初代お糸は可愛いらしい声で、人の心に響くような声ではなかったという。これではいけないと考えた父は初代お糸を安来港近くの「海」に連れていき「いかだ」のようなものを浮かべて立たせた。そこから大山に向かって歌う練習をさせたのだという。

安来節保存会事務局長の内田修次さんは、この「海」は現在の「中海」のことではないかと推測する。大山は海抜1709メートル。鳥取県西部に位置する中国地方最高峰の山だ。中腹にある大山寺まででも、安来港のあたりから約30キロメートルある。父は「大山に届くような声で歌え」と指導した。

この訓練をするうち、声が大山に当たり「屏風のような」こだまとなって返って来るのを初代お糸は感じた、という逸話が残る。このような父の指導のおかげで、お糸の歌は開眼し後に有名となる安来節の礎を築いたのだった。

子どもの頃の初代渡部お糸(提供:安来節保存会)
子どもの頃の初代渡部お糸(提供:安来節保存会)

民謡の評論家によると、初代お糸が安来節の全国巡業をするまで、民謡が晴れやかな舞台で歌われることはなかったという。民謡はそれまで、仕事をする時に歌われる「作業歌」「労働歌」だった。初代お糸が安来節を舞台で歌うことで、全国の民謡が「舞台歌」として歌われるようになった。初代お糸は安来節のみならず、全国の民謡が文化として広まるきっかけを作った先駆者と言えるかもしれない。

初代渡部お糸は約10年で第一線を退き、晩年は後進の指導にあたった。1954年3月27日に79歳で死去した。

初代お糸は生前「安来節を通じて安来という町を全国の人に知ってもらえることがうれしい」と話していたと伝えられる。

初代渡部お糸について語る現在の家元、四代目渡部お糸さん
初代渡部お糸顕彰之碑(島根県安来市 安来公園内)
島根(Shimane)
初代渡部お糸の肖像画(作者不詳)(リニューアルオープンを控えた安来節演芸館内で4月13日に撮影)

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