
〈オーストラリアクロトキ(アイビス)〉
ブリスベンは4月になり季節は夏を過ぎました。日中はまだ暑いですが、朝方や夕暮れ時には、そろそろ冬のにおいが漂っています。
日本とオーストラリアを比較して、動物の違いをいちばん実感するのは、日常の中でさまざまな鳥を見かけるときです。
オーストラリアでは、地上を歩いている鳥をよく目にします。今回は、そのような鳥について紹介していきます。
冒頭の写真に、トキのような見た目をした鳥が写っています。
「オーストラリアクロトキ」です。地元では、アイビス(Ibis)という、ちょっとしゃれた名前で呼ばれています。
アイビスは長い足と、黒く細長いクチバシを持っており、体は白い羽根で覆われています。写真では分かりにくいですが、実は後頭部がむき出しになっていて、ピンク色の肌が顔をのぞかせています。
ブリスベンの中心部から郊外の至る所で、地上を歩きながら餌を探している姿を見ることができます。
長いクチバシを使ってゴミを漁っている様子を、ブリスベン中心部では見かけます。その姿から「ビンチキン(Bin Chicken)」という別名でオーストラリアの人たちに親しまれています。
「ビンチキン」は「ゴミ箱鳥」という意味です。アイビスというかっこいい名前とは、かけ離れた呼び名ですね。
動画配信サイトでも「アイビス」ではなく「ビンチキン(ゴミ箱鳥)」 と呼ばれていました。
みすぼらしい見た目に加え、「ゴミ箱鳥」なんていうあだ名がついているのです。人々はアイビスのことを汚らしくて、かわいそうな鳥だと思うかも知れません。
しかし都市部以外では、名前負けしない立派な姿が見られます。
むき出しになった後頭部に目をつぶれば、長く曲がったクチバシと大きな体は十分にかっこいい見た目です。
つまり、後頭部を隠せるときには魅力が発揮されるのです。
夕方の郊外では、1つの木にたくさん集まってきて、集団で休んでいるアイビスを見ることができました。
夕暮れを背景にし、影のように浮かび上がったアイビスは、少し不気味です。その一方で、神々しささえ感じる雰囲気があります。
飛んでいる姿も「ゴミ箱鳥」なんていう、ありがたくない名前を払拭できるほどきれいです。地上から見上げる大きな白い羽と長いクチバシは、青い空にもよく映えます。
(次回もオーストラリアでしばしば見かける鳥について紹介します)
【オーストラリア在住 Haruki Umemura】
○ Haruki Umemura ○
愛知県出身。幼少期から生物に興味があり、研究者を目指す。海洋生物学を学ぶため、研究が盛んなオーストラリアの大学に進学することを決意。高校卒業後、2023年4月にオーストラリアへ渡航した。シドニーの語学学校で学んだ後、2024年、ブリスベンのクイーンズランド大学に入学。同大学で海洋生物学について学んでいる。ブリスベン在住。
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