
2025年1月、筆者は香港へ行くことを決めた。
香港と言えば2024年10月27日、鳥取県の米子鬼太郎空港から香港直行の航空便が就航を開始した。グレーターベイ航空が週3往復の定期便として運行を始めたのだ。この米子香港便は鳥取県が県をあげてプロモーションに取り組み、地元では大きな期待が寄せられている。
利用促進のため、鳥取県は一定の条件を満たす利用者に、期間限定でパスポート取得費用の一部を補助する支援策も用意している。この支援策は鳥取県民でなくとも申請できる。
米子香港便が就航する前は、山陰から香港に行くためには、東京か関西を経由する必要があった。
米子から成田空港へ行く場合は国内線で羽田空港まで行き、そこからさらに京急線や京成線などを乗り継がなくてはならない。
米子から関西国際空港へはJR伯備線と山陽新幹線を乗り継いだ後、在来の電車などを乗り継いでようやく到着する。
他にもバスなどを使う経路があるようだ。いずれにせよ日本国内の国際空港まで行くだけで、ほぼ1日つぶれると言っても過言ではない。海外に飛び立つ前に、東京か大阪で1泊しなくてはならない場合もあった。
米子からの直行便ができたことで、複数の交通手段を乗り換えることなく香港へ行くことができるようになった。

今回、筆者が香港で訪問目的を達成するには、どこのホテルに泊まるのが便利なのか、よく分からない。ホテルは旅行代理店で相談して決めることとし、来店予約を行った。
相談の当日、旅行代理店から突然電話がかかってくる。
職員「2月と3月、米子香港便の、ほとんどが運休になりました」
筆者「え? どういうこと?」
「2月・3月に運航予定の航空便のうち128の便を欠航する」
1月22日にグレーターベイ航空が、このように発表したのだ。
徳島から香港へ行く便など、128の便が欠航となった。
理由は「新機材の納入に遅延があることに加え、一部既存機材の定期点検の必要性によるもの」だという。また「フライトスケジューリングプロセスに過失があった」ようだ。
米子香港便は運休になっているのか。
グレーターベイ航空のホームページを見るが、それに関連した、お知らせが見当たらない。
代理店職員によると、米子香港便は2月23日から3月18日までの間で14便の運休が決まっていたのだ。
筆者が香港に行く日だけは、奇跡的に運休を免れていた。
インターネットで検索できる範囲に限って言えば、1月30日現在、山陰の報道機関が、この大量運休について取り上げた形跡がない。検索エンジンを使って「米子香港便」で検索しても「運休」を連想させる表示候補は出てこない。グレーターベイ航空の日本語サイトにすら運休情報が掲載されていないのだ。
帰宅後、グレーターベイ航空のホームページで予約を取ろうとすると、本来運行するはずの日が選択できなくなっていた。
そこで、今回は飛行機の予約も代理店に頼むことにした。関西国際空港や成田空港発の他社便空席状況も注視しつつ、いざとなったら米子香港便をキャンセルして、そちらに切り替えることで職員の理解を取り付けた。
(つづく)
(この記事は、筆者の体験記です。グレイターベイ航空や鳥取県の正式な制度や仕組みについては、直接各機関にお尋ねください)