
〈肝が冷える瞬間〉
イベント、コンサート、ショッピングモール……。
さまざまな場所でエレクトーンを演奏しています。たくさんの人の前で演奏することが大好きです。いつも楽しんで演奏しています。
しかし大変だと感じることもあります。今回は、イベントに出演する際に、わたしが困った瞬間をご紹介します。
まず楽器や機材の運搬です。
エレクトーンを各地で演奏するには楽器本体が必要です。場所によってはエレクトーンが置いてあるということも稀にあります。ですがほとんどの場合、自分のエレクトーンを持ち込みます。
イベントに持って行くエレクトーンは従来よりも軽量化されています。とはいえ総重量は、およそ47キログラム。人の体重に近い重さがあります。これを専用のケースに入れて運ぶのです。
ケースは肩に掛けて運ぶタイプのものです。ふだんは会場の台車を借りたり、スタッフの方に手伝ってもらったりしています。ときには全部ひとりで担いで運ばなくてはならない場合もあります。
エレクトーンのパーツは3つのケースで分けて運びます。いちばん重い部品はおよそ18キログラムあります。かなり重いです。
成人の男性が持ち上げても「重っ!!」となるくらいの重量があります。これを毎回運ばなくてはなりません。イベントが続くときは肩にあざができたり、足腰が痛くなったりします。わたしとしては演奏よりはるかに大変な作業です。
演奏面で慌てる瞬間もあります。選曲の場面です。
曲を決めるときいちばん安心なやり方は、演奏する曲目を最初から順番まで決めておくことです。しかし私の場合、会場に行ってからお客さんを見て決めることが多いです。
弾く曲をおおまかに考えては行きますが、年齢層や雰囲気を実際に確かめてから現地で決めます。
とつぜん本番中に変えることもあります。
思ったよりも盛り上がったり人が集まったり、逆に人が離れていったり……。
ステージから見える景色はどんどん変わります。
このような状況なので、焦って曲を変更しようとするとデータや楽譜が見つからないといったトラブルが起きます。
(平気だよ〜)という顔をして、おしゃべりでその場を繋ぎます。そんなときに限ってぜんぜん見つかりません。大焦りします。かなり汗をかく瞬間です。
次は番外編です。
誰が聴いても分かるような取り返しのつかないミスをしてしまった瞬間は、かなり大変です。
イベントに出始めたころ、とんでもなくミスをしまくった1曲目の直後。
「まあこういう演奏も生演奏ならではの醍醐味ですよね!」と苦し紛れのおしゃべりで乗り切ったことがありました。
やはり演奏家にとって、ミスはいちばん肝が冷える瞬間です。
大変なことや難しいこともありますが、“楽しいがいちばん”で活動しています。
これからもいろいろなイベントに出られるようがんばります!
【エレクトーン奏者 ほりピ】
(注)「エレクトーン」はヤマハ株式会社の登録商標です。
〇 ほりピ 〇
鳥取県出身のエレクトーン奏者。4歳からエレクトーンを始める。いちどエレクトーンから遠ざかっていたが、恩師の支えでプロ演奏家の道に進んだ。2025年4月に東京都内で初の路上ライブを行うと、観客がSNSに投稿した演奏動画が280万回再生を突破した。エフエム山陰でラジオパーソナリティも務める。ヤマハ音楽教室講師。
